実践派FPのスローリッチのすすめ

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マンガ LTCM 巨大ヘッジファンド崩壊の軌跡を読んで

実践派FP(ファイナンシャルプランナー)
斉藤俊行(豊島区FP)のスローリッチのすすめブログです。
読者の皆さまのお金と幸せと成功に、
少しでもお役に立つ記事を書けるようにブログへ取り組んでいます。
池袋マネーセミナーも開催しています。


本日のテーマはこちらです。

テーマ:『 マンガ LTCM 巨大ヘッジファンド崩壊の軌跡を読んで 』

夏期休暇も終わり、今週から通常業務を開始しています。

読者の皆さんもお盆のあいだ、どのように過ごされましたでしょうか。
残暑が最近厳しくなってきていますので、
より一層ご自愛くださいませ。

さて、前回に続きマンガをご紹介します。

今回ご紹介するマンガは、
巨大ヘッジファンド LTCMの崩壊までを描かれた
ノンフィクション本です。

LTCMの事件は金融史に残るほど有名なので、
ご存知の読者の方も多いかと思いますが、
LTCMについて簡単にご説明しておきます。

LTCMとは、
Long Term Capital Managementの略語です。
(ロングタームキャピタルマネジメント)

日本語に直訳しますと
「長期の資産(資本)管理」となります。

また一言で言えば、
LTCMは、
世界を代表するほどの金融工学の天才が集まり
1,000億ドル(約10兆円)ほどの資金を運用する
巨大なヘッジファンドでした。


そして、
このドリームチームの主なメンバーは、
一人残らずみんな天才で、
債券取引の帝王であるジョン・メリウェザーを筆頭に
ノーベル経済学賞を受賞した二人の学者
ロバート・マートン教授とマイロン・ショールズ教授、
そして、元FRB副議長のデビット・マリンズなどを含め、
LTCMの心臓部を支えるパートナーたちは、
一人残らず金融工学の天才と称されていました。

結論から言えば、
それでも、
金融市場の動きは、
金工学の理論では正確に予測されなかった。
または、
このような人類史上最高の天才集団で運用しても
金融工学の理論(効率であること)が正しい、
ということを実証できなかった。

このようになると思います。

結局のところ、
LTCMの投資戦略の前提条件が守られなかったということです。

<前提条件>
・市場は効率的であること
・相場は切れ目なく続き連続性が保たれること
・LTCM(ファンド)への資金供給が途絶えることがないこと
                                
                                など

マーケットは効率的であることが前提にある投資戦略の場合に
しかしながら、
マーケットは常に動いているから一時的に非効率なことが生じる。
そのわずかなチャンスをタイムリーにLTCMは強力な吸塵力でかき集め
投資収益の機会を狙って行く。
個別に見れば、わずかな隙間の投資収益でも
巨大な資本をもって取引すれば、
その収益も巨大なものになります。

LTCMの投資手法について簡単に解説すれば、
このような隙間を株式ではなく主に債券の裁定取引で行っていました。

裁定取引とは、
アービトラージといいます。

この取引は、
たとえば、
異なるマーケットにおける同一または同種の商品の価格差を利用し
無リスク~最小のリスクで利益を確定する取引です。
株式ならば、現物を売り、その反対に先物を買うなどの取引です。

LTCMの場合は、
債券でも信用力の高い米国債は割り高だから早めに売り、
その反対に、
割安である新興国のジャンク債(投資不適格級の債券)を
買うなどの投資戦略が主流でした。

これは債券が満期償還がある金融商品という特性を考えれば
確かに投資理論は成立します。

債券価格が最終的には額面金額で換金されるから
それまで
債券価格が高く取引される米国債は、
額面金額まで値が下がり、
反対に、
投資不適格なジャンク債などは
債券価格は低い値段で取引されていたから、
満期償還が近づくにつれて債券価格は上昇して
元の債券の値段に戻るのが通常です。
この通りに債券の価格が動けばLTCMの投資は上手くいき
利益は確定されたのですが、
アジアの通貨危機にはじまり1998年のロシアで起こった
金融危機でそうならなくなってしまった
ということです。

マーケット参加者のマネーは、
いつまで経っても質への逃避が行われ
米国債を買い続け持ち続けたということです。

だから、
取引も成立しないし新興国の債券、
ジャンク債の価格は上昇に転じないままになってしまったのです。

なお当時の投資銀行などが、
マーケットから投資マネーを引き上げてしまったので
LTCMへの資金供給も途絶えてしまい、
資金繰りが難しくなってしまった。

お金があれば、
マーケットが正常になるまで
保有しているジャンク債を持ち続け、
その価格の回復(値が上昇するまたは満期まで)を
待てばよろしいのですが
取引する資金が枯渇してしまえば、
それができなくなる。
企業が資金繰りに行き詰まって
営業が困難になる様子と似ています。

結局は、
資金繰りによる時間との戦いになってしまった。

LTCMが崩壊する当時と同じようなことが
2008年9月以降の金融危機でも起こりましたね。
1998年、1999年当時よりも大掛かりでしたが。

このように本書は、
ノンフィクションだけど小説のようにドキドキさせる場面もあり
読み物として楽しめるのですが、
金融工学とは何かを考えさせる内容だと思います。

このLTCMの書かれた本で
もっと詳細に書かれているのは、
『最強ヘッジファンドLTCMの興亡』です。
日経ビジネス文庫から出版されていますので
こちらもお勧めです。


そして最後に、
マーケットが正常に動いている時には
金融工学の理論の通りに動くことは
投資の経験上からも理解できます。
しかし、
金融危機が起きたときは
そうならないこともあるのだということも
経験から学びました。

それ以上に、
本書を読んで思ったことは、
マーケットのわずかな隙間を狙ってサヤを稼ぐやり方は、
すぐに他の市場参加者たちに気づかれ、
その投資収益機会を奪われしまう。
(または、少なくされてしまう)
天才集団が見つけ出した投資戦略も
あっけなく、
他の投資銀行やヘッジファンドの参加者たちに
模倣されてしまったことが書かれています。

つまり、
本書の言葉を借りれば、
マーケットは理論で成り立つというよりも
複雑な人間模様だといえるのかもしれません。



引き続き、
読者の皆さんの役に立てる記事を書きたいと思いますので
どうぞよろしくお願い致します。


本日も最後までブログをお読みくださりありがとうございました。


いつも本当にありがとうございます。
 ブログヘのうれしいコメントはこれからもありがたく頂戴いたします。
 但し、金融情報の提供や具体的なアドバイスなどを求める
 ご質問につきましてはお応えできませんのであらかじめご了承くださいませ。
 今後ともどうぞよろしくお願い致します。



< 今日のおすすめ >

こちらはマンガです。
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コメント

歴史は繰り返してる?

こんにちは
長期の為替チャートを眺めていると
最近の暴落はLTCM破綻の頃と雰囲気的に似ているなというイメージを受けました。
ファンダメンタル的な内容は参考程度にしか理解できないのですがチャートが暴落後どんな動きをしてから上昇トレンドに戻っていったのか
そういった過程は案外繰り返すのではないかなと考えています。
今も昔もマーケットの参加者は人間ですからね。

昔の出来事がマンガで勉強できるなんて知りませんでした。
紹介いただきありがとうございます。
とっつきやすそうでいいですね。

ではまた!!

  • 2009/08/20(木) 11:37:30 |
  • URL |
  • SON #-
  • [ 編集]

ありがとうございます

SONさま
残暑お見舞い申し上げます。
そして、コメントありがとうございます。
マンガは書かれていることがイメージしやすいのでなかなかよいです。

  • 2009/08/20(木) 17:06:06 |
  • URL |
  • 斉藤 #-
  • [ 編集]

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